夏祭りの意義とは 田畑の実りを妨げる害虫や台風を避け、疫病退散、災害をもたらす死者の霊を慰め、その力を借りて厄災を避け、平穏と安寧を得ることです。石取祭においては、「日本一やかましい祭り」で知られていますが、現場に赴き検証し撮影をすすめると、音楽(太鼓と鉦)の囃子で彷徨う霊魂を呼び寄せて、祭車に憑依させることで力を得て厄災を退散、その後、霊魂を提灯で極楽浄土に誘導し慰め、五穀豊穣と繁栄を得るという物語が出来上がり、夏祭りの要素が見事に演出されていることが分かります。昨今では、カメムシによるコメへの被害、台風の激甚化、感染症の世界的なパンデミックがありました。こうした状況のなか「日本一やかまし祭」という思い込みを潜り抜け外し、多角的に石取祭を見て本質に迫れば、知性と美意識によって磨き上げられた演出を持つ「祭」でありることを見出すことができ感動する。
第五回 北星美壇展に夏祭りの本来の意義から見て石取祭を撮影した写真約30点のうち2点を出品します。




